2020年5月22日金曜日

【テディベアハント in WEB-SJPO(13):コントラバス編】

◆第13弾は、コントラバス奏者の登場です。
 [※テディベアハント(TeddyBearHunt)とは


◆弦楽器で一番大きなコントラバスですが、実はとても幅広く活躍する奥の深い楽器です。

もともとはヴァイオリンとは成り立ちが違い、16世紀頃に生まれたヴィオール族の「ヴィオローネ」という楽器が改良されて、19世紀頃にはフレット(ギターにある音程の目安となる線)がなくなり、4弦の現在のコントラバスとなりました。

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◆低音楽器として非常に機能性に富み、音量もあることから、クラシックのみならず、ジャズやポピュラー、そして弦楽器でありながら吹奏楽にも用いられるなど様々なジャンルにまたがって活躍しています。

◆そうしたことから、他の弦楽器が国の言語による違いはあれ呼び名が通常一つしかない中、コントラバスだけは数多く呼び名が存在します。

正式名称の「コントラバス」と略称の「コンバス」の他、単に「バス」「ベース」「ダブルベース」などとも呼ばれますし、吹奏楽ではチューバと区別するために「弦バス」と呼ばれ、さらにはエレキベースに対しての「ウッドベース」(※ただしこれは和製英語で英語圏では使われません)とも呼ばれます。

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◆コントラバスは単に大型のヴァイオリンはないと書きましたが、他の弦楽器にはない特徴がたくさんあります。そんな意外と知られていないコントラバスのトリビア、名付けて「コントリビアス」をいくつか紹介していきます。

[コントリビアス(1)]
・他の弦楽器との大きな相違点としては、弦の音程間隔があります。ヴァイオリンからチェロまでは、弦と弦の音程間隔は5度間隔(ドとソの関係)なのですが、コントラバスだけは4度間隔(ドとファの関係)です。

[コントリビアス(2)]
・弦の張り方は、ヴァイオリンが低音側からG線・D線・A線・E線となっているのに対して、コントラバスは高音側からG線・D線・A線・E線とちょうど逆になっているので結果的に4度間隔となっています。

[コントリビアス(3)]
・弦楽器の弓は、楽器の大きさに比例するように思われるかもしれませんが、実際には楽器が小さいほどほど弓の長さが長いのです。したがってヴァイオリンが一番長い弓、コントラバスが一番短い弓を用います。

・ところが弓の重さを比べると、逆に一番長いヴァイオリンの弓が一番軽く、一番短いコントラバスの弓が一番重く作られていて、それぞれの大きさの楽器が一番良く鳴るバランスに調整されています。

[コントリビアス(4)]
・ジャズでも大活躍するコントラバスですが、ジャズではオケで一般的な弓を使うアルコという奏法ではなく、ピチカートという指で弦を弾いて発音する奏法が一般的です。さらにロカビリーという音楽ジャンルでは弦を指にひっかけて弾く「スラップ奏法」が広く普及するなど、他の弦楽器にはない表現力を持ち合わせた楽器なのです。

[コントリビアス(5)]
・管打楽器で構成される吹奏楽になぜかコントラバスだけは加わっていることが多く「弦バス」などと呼ばれています。実は吹奏楽では、1830年代になり発明されたチューバが普及する前から低音補強でコントラバスが使われていたことから、現代の編成まで受け継がれているそうです。

[コントリビアス(6)]
・ロックなどで用いられているエレキベースは1950年代にフェンダー社がコントラバスをもとにして発明されました。

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◆人の身体ほどある大型の楽器で持ち運ぶのも一苦労のコントラバスですが、オーケストラの響きを一身に支える重要な楽器でもある一方で、上記のような他の弦楽器に類を見ない多彩な表現力を誇るコントラバスには、一度経験するとはまってしまう魅力があるようです。

また楽器の必要度に対して、演奏人口が比較的少ないこともあり、団体を超えた楽器の横のつながりも広いようです。

そんなコントラバスをオーケストラで演奏してみたい方、ぜひSJPOで一緒に演奏しましょう。

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