2020年5月11日月曜日

【テディベアハント in WEB-SJPO(11):チューバ編】

◆第11弾は、チューバ奏者の登場です。
 [※テディベアハント(TeddyBearHunt)とは・・・


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◆金管楽器で一番低音を受け持ち、オーケストラ全体を一本で支える楽器といえばすぐにチューバを思い浮かべると思います。学校においてもどの学校の金管バンドや吹奏楽にもあり大活躍ですが、発明されたのが1835年と意外にも他の金管楽器と比べると非常に新しい楽器なのです。

◆したがって必ず出番のある吹奏楽や金管バンドと違い、オーケストラではバロックはもちろん、ハイドン、モーツァルトやベートーベンといった古典派までの曲には使われないので、チューバ奏者にとっては、まずその曲にチューバが使われているか否かをまずチェックする必要があるのです。

◆中にはドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」のようにチューバは使われていても、2楽章の最初と最後にわずか数小節の出番があるだけで、1楽章はもちろん、一番盛り上がる有名な4楽章では楽しそうに演奏している他の楽器の横で、最後まで休みという生殺し(!)のような曲もあります。

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◆チューバの歴史を紐解くと、他の金管楽器がバルブやロータリーが発明される前からシンプルな形でオーケストラにも使われていたのに対して、チューバは1820年代のバルブの発明後に楽器が発明されたので、きちんと記録も残っていて、ドイツの楽器製作者モーリツ氏が、1835年9月12日に”バスチューバ”という名称で発明した特許が出願されたのが始まりと言われています。

◆”チューバ”という名称は、ラテン語で「管」という意味から来ていますが、古代ギリシャやローマ時代は、トランペットなどの先祖の青銅製の金管楽器はすべて「チューバ」と呼ばれていましたので、その一般名称と区別するために”バスチューバ”と名付けられたそうです。

◆それ以前の低音の金管楽器としては、17世紀頃にオフィクレイド、そして18世紀頃にはセルパンという長い管にリコーダーのようなホール(穴)や木管楽器のようなキーを取り付けて音を変える楽器がオーケストラで活躍しかけましたが、すぐに音量があり、音程も安定しているチューバにとって代わられて現代にいたります。

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◆最初のバスチューバは今の小中学校などで広く使われているB管よりも小型なものでしたが、3年後にさらに高音が出るように改良したテナーチューバが発明され、そのテナーチューバのテーパー(管の広がる角度)を強くしたものが吹奏楽でもよくつかわれる”ユーフォニアム”となりました。

学校現場で広く普及しているB管チューバはそのもう少し後に、より低音が出せるように大型化して発明されたものなのです。

◆一方で少しややこしいのですが、ベルギーの楽器製作者のA.サックス氏が、様々なサックスを発明したのですが、その後金管楽器のシリーズとしてサクソルン属と呼ばれる楽器が発明されてそのうちの一つが小学校の金管バンドで使われているアルトホルンなのです。このようにヨーロッパの様々な国で中低音の金管楽器は様々な種類の楽器が発明されたことで、一般に区別しづらく似たような楽器がたくさんある現状を生み出してしまっています。
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◆さて、歴史が新しくロマン派以降の曲にしか出番がないチューバですが、一方でいざオーケストラにデビューしてからは、オーケストラを支える低音域を担当していることに加え、音量や機能性、そして大迫力から繊細な音色までの幅広い表現力から、一気に広く用いられるようになり、近代のオーケストラ曲においては欠かせない楽器となりました。

◆普段は、オケを支える縁の下の力持ち、そしてここぞというときに示せる大黒柱的な圧倒的な存在感を示すチューバの魅力を、ぜひオーケストラで突き詰めてみませんか?

興味ある方は、SJPOまでお気軽にお問い合わせください。

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